建設現場事故ニュース

建設現場で起きた大小の事故ニュースをまとめています

旭化成建材の工事問題 2006年のマンション建設ラッシュに専門家が指摘

 過去11年間に杭打ち工事を請け負ったのは45都道府県3040件、うちデータ改ざんを認めた現場代理人が関与したのは41件――。横浜市のマンション傾斜問題で、旭化成建材が工事実績の内訳を明かしたが、肝心の施設名は23日になってようやく情報提供を開始、全国に疑心暗鬼を広めてしまった。各自治体とも旭化成建材が手がけた公共施設を独自に探していたが、見方を変えれば、もっと危ない物件がある。

「当時は次から次に仕事の発注があった。残業の量は相当多かった」

 現場代理人は旭化成側の聞き取り調査にそう答えたという。旭化成建材の前田富弘社長も20日の会見で「当時は確かに忙しかった」と振り返った。問題の杭打ち工事は2005年12月~06年2月に実施。この時期に現場が多忙を極めたのにはワケがある。

 05年11月、あの姉歯秀次・元1級建築士の手による耐震強度偽装事件が発覚。時の小泉政権が建築確認・検査の厳格化に向け、法改正に動き出した頃と、杭打ちの時期はちょうど重なる。

「実際の法改正前から、建築確認など事務手続きの煩雑化が予想されました。そのため、面倒な作業が増える前に『駆け込みで着工に取りかかれ!』と言わんばかりのマンション建設ラッシュが始まったのです」(建築エコノミスト・森山高至氏)

 事実、06年度の新設住宅の着工件数は約128万5000戸と、過去15年間でのピークを迎え、07年6月の法改正後は着工数は激減。09年度以降は100万戸を割り続けている。

 近年まれにみる建設ラッシュ期に、問題の工事は行われたのだ。深度不足の杭8本は工期の最終盤の06年2月23~24日に施工された。杭の長さは設計段階で約2メートル足りなかったが、杭を追加発注すると、工期が1カ月以上長くなる可能性があったという。

「元請け以下、現場には工事中に行う『中間検査』や工事後に確認する『完了検査』などを法改正前に終わらせたいムードがあったかも知れません。多忙だった現場代理人も次々と仕事を片づける必要性に迫られていたでしょう。関与した全員にとって、工期が強いプレッシャーになっていた可能性は十分にあると思います」(森山高至氏)

 この業界挙げての駆け込み建設期の直後には、欠陥住宅が次々と見つかった。07年には建材メーカーなど2社による耐火壁や断熱パネルの性能偽装や、大手ゼネコンが千葉で建設中だった超高層マンションで鉄筋128本の不足が判明。同年10月には横浜市の分譲マンションで新たな耐震偽装も発覚した。この物件は改正法の施行直前に建築確認を受けており、構造データを167カ所も改ざんした1級建築士は当時、偽造の理由をこう語っていた。

「時間に追われていた」

 傾斜マンションは氷山の一角。06年度の“狂気の建設ラッシュ”の負の遺産は、まだまだ各地に潜んでいるのではないか。

 

工事費88億円 習志野市の新庁舎起工式

 習志野市は二十三日、新庁舎建設工事の起工式を行った。地上六階地下一階の新庁舎は二〇一七年四月末完成予定で、同年九月までに一部業務を始める。
 旧庁舎の向かい側に建設、工事費は約八十八億四千万円になる。今年四月の市長選で「豪華」批判もあったが、宮本泰介市長は「人口約十七万人の新庁舎として八十八億円はリーズナブル(妥当)」と指摘。「床面積は相当精査、柱の数や階数もいろんな角度から視点を加えた」とコスト削減を意識したと話す。
 一九六四年完成の旧庁舎は東日本大震災後の耐震診断で、震度によって倒壊の危険性を指摘されたため、建て替えを決めた。旧庁舎は一二年九月から、京成津田沼駅前の仮庁舎に移転している。市役所機能は八カ所に分散されているが、新庁舎に集約されるため、宮本市長は「市民サービス向上にもつながる」と期待する。

東京新聞:工事費88億円 習志野市の新庁舎起工式:千葉(TOKYO Web)

積水ハウス、軟弱地盤補強工法「シャークパイル工法」を完成-年2000棟に施工

 積水ハウスは、高耐力と低コスト化を実現する軟弱地盤補強工法「シャークパイル工法」を完成した。自社従来工法に比べ、鋼管杭1本当たりの支持力を高めるとともに工事費を2割以上抑えた。成長分野の4階建てや大規模建築にも対応。今月から全面展開し、年間2000棟程度の施工を予定する。

 鋼管の地中先端部に差し込む円形の翼形状を工夫し翼の径を拡幅できるようにして、翼面積を大きくとった。これにより、同じ径の鋼管杭で1本当たりの支持力を従来工法より1・5―2倍高めた。鋼管杭の支持力を高めたことで、必要な杭の数は平均3割程度減らせる。従来使っていた重機で施工できるようにも配慮。これにより補強工事の部材や工数を削減し、コストダウンにつなげた。
 積水ハウスは大開口部をとる大型住宅や4階建てなどの提案に力を入れている。従来工法では、こうした物件の地盤補強はカバーできなかった。今回、鋼管杭径のラインアップを拡充して国土交通大臣認定を取得。同社施工の全物件に対応できるようにした。先端翼周辺部分は、3カ所の協力工場で製造し、現場で鋼管杭本体と溶接する。

積水ハウス、軟弱地盤補強工法「シャークパイル工法」を完成−年2000棟に施工:日刊工業新聞

 

大林組、屋外鉄骨用の耐火被覆工法「WFガード」が大臣認定取得-スカイツリーで実績

 大林組は21日、屋外鉄骨用に耐火被覆工法「WFガード」を開発し、耐火構造国土交通大臣認定を取得したと発表した。屋外鉄骨用の耐火性被覆工法として国内初の開発で、東京スカイツリー(写真、東京都墨田区)に使用された。鉄骨部材の防錆・防食性能に優れ、最長100年まで対応できる。
 新工法は、橋などの土木工事で使用する「重防食塗装」と、建築工事で鉄骨部材の耐火被覆に用いる加熱発泡性の「耐火塗料」を組み合わせた。上塗り塗料の塗り替えサイクルは最長25―30年。塗膜厚さは2ミリメートル程度で外観は通常の塗装と同じ。
 耐火被覆に使うアルミパネルなどが不要なため最大約30%コスト削減できる。新工法は東京スカイツリーでの適用に向け個別認定を取得した。今回は一般建築に展開するため、耐火構造国土交通大臣認定(1時間耐火)を取得した。

 

大林組、屋外鉄骨用の耐火被覆工法「WFガード」が大臣認定取得−スカイツリーで実績:日刊工業新聞

鹿児島市斜面崩落事故から1か月

鹿児島市のマンションの建設現場で斜面の崩落事故が起きてから14日で1か月。事故後、避難していた周辺の住民たちは「被害者の会」を立ち上げ、13日夜、県と地権者に対して本格的な復旧工事を早急に完了させるよう求めていくことなどを決めた。
この事故は先月14日、鹿児島市鼓川町のマンションの建設現場で斜面が崩れ、男性1人がケガをしたもの。これに伴い、最大で周辺の23世帯54人の住民に避難勧告が出され、現在も斜面の上にある寺の1世帯2人が避難している。一時避難していた住民は、「安心して暮らせるように工事をしてくれれば、それが1番の願い」と話した。一方、13日夜は周辺の住民たちでつくる被害者の会のメンバーが集まり、今後の方針を話し合った。協議の結果、まず、県と地権者の男性に対して、本格的な復旧工事を早急に完了させるよう求めていくことを決めた。さらに避難生活で発生した費用の支払いを求め、民事訴訟を起こす方針を固めたという。被害者の会の馬庭和良さんは「今後どういう復旧工事がされるか、それを最後まできちんと行政のほうでやっていただきたい」と話した。

 

建設現場事故 責任巡り避難民らが怒りの声

 14日、鹿児島市内のマンション建設現場で、斜面が崩落する事故が起きた。この事故の責任を巡り、住民から怒りの声が上がっている。

 14日午前、鹿児島市皷川町のマンション建設現場で、のり面が崩落する事故が起きた。のり面は、高さ20メートル、幅30メートルにわたって崩れ、現場で作業をしていた60代の地権者の男性がケガをした。新たな土砂の流入を防ぐため、現場には重さ1トンの土のう200個が積み上げられた。

 16日午後4時現在、5世帯6人が避難していていて、15日夜は避難している住民を対象に説明会が開かれた。県によると、現場は「急傾斜地崩壊危険区域」に指定されている民有地で、地権者の男性は、県の許可を取った上で4月頃から掘削作業にあたっていたという。

 鹿児島地域振興局建設課・泊孝次総務課長「どういう条件をつけて許可をしたのか全然見えないということで、もう1回きちん整理して、次回説明してほしいと(要望があった)」「マンション建築確認は鹿児島市が許可している。こちらからは何とも言えない」

 避難している住民「どこに責任があるのか?はっきりさせてもらいたい。いつ家に帰れるのか?どういう工事をするのか?工事がいつまでかかるのかを早く説明してほしい」

 この他、住民からは「当面の生活費として一時金を支給してほしい」といった要望もあったという。県は18日にも説明会を開き、住民からの要望や質問に回答したいとしている。

建設現場事故 責任巡り避難民らが怒りの声| ytv 読売テレビ ニュース&ウェザー

「指示なければ事故に遭っていないはず」…宮大工の遺族、労災認定求め提訴へ-大阪地裁

 日当を受け取りながら労働者でなく自営業者と判断され、建築現場の死亡事故で労災補償されなかったのは不当として、死亡した宮大工の男性=当時(44)、京都府長岡京市=の妻(40)が16日にも、労災認定を求める行政訴訟を大阪地裁に起こす。雇用と請負の線引きがあいまいなまま口頭で契約を結ぶ慣行がある建設業界。事故後、労働者が自営業者とみなされて給付金を受け取れないケースも多く、こうした実態に一石を投じる訴訟になりそうだ。

 訴えによると、男性は工務店を営む知人から口頭で依頼され、平成26年2~4月、香川県内の神社と埼玉県内の作業場で屋根の修理工事に従事。4月29日、埼玉の現場で作業中に屋根から約7メートル下の地面へ転落し、3日後に死亡した。

 男性が日常はフリーの宮大工として仕事していたことなどから、川越労働基準監督署は同年12月、男性は自営業者で仕事は請負だったとみなし、給付金の不支給を決定。埼玉労働局の労災保険審査官も今年5月、同様の判断を下した。

 ところが今回、男性には工事の進捗(しんちょく)状況と関係なく日当として2万円が継続して支払われており、事故当日は知人も屋根に上がって作業を分担していた。このため妻側は、男性が実質的に知人から労働者として雇用されており、労災として救済されるべきだと主張している。

 労基署と審査官が不支給の根拠とした平成8年公表の判断基準は、雇用か請負か不明確な形態を見極めるポイントを列記しているが、「日当による日給月給制の場合は労働者」という前提も示している。

 妻側代理人の古川拓弁護士(京都弁護士会)は「労基署の決定は判断基準の前提を無視している」と話している。

「指示なければ事故に遭っていないはず」…宮大工の遺族、労災認定求め提訴へ-大阪地裁- 産経WEST