建設現場事故ニュース

建設現場で起きた大小の事故ニュースをまとめています

神戸・新駅事故、2日前に隣の足場を撤去

 来春開業予定のJR東海道線の新駅「摩耶駅」(神戸市灘区)で11日、工事用足場が倒れ、同線などが約9時間運休、38万人に影響した事故で、倒壊した足場の隣の足場が事故2日前に撤去されていたことがわかった。足場は8日から順に解体されており、JR西日本はその際の作業が、足場の強度に影響した可能性がないか調べている。


 JR西によると、足場は外壁工事用で、作業が終わったため、倒れた足場(長さ約31メートル、高さ約7メートル、幅約60センチ、重さ約2トン)の隣の足場を、9日夜に撤去していた。倒壊した足場も事故当日の11日夜に取り外す予定だった。事故当日は強風が吹いており、請負会社の作業員が、朝に点検した際には、異常はなかったという。

 JR西は「解体工事が影響を与えたことも考えられる。強風との関係も含め、原因を調査したい」としている。

神戸・新駅事故、2日前に隣の足場を撤去 : ニュース : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

地下水流れ込み2時間で歩道陥没か 名古屋

 7日夜、JR名古屋駅前の歩道が5メートルの深さで陥没した。陥没は地下水が流れ込んでから2時間で起きたとみられることが分かった。

 7日午後7時前、JR名古屋駅から400メートルほど離れた場所で歩道が約4メートル四方、5メートルほどの深さまで陥没した。歩道のすぐ隣では、地上25階建てのビルの建設工事が行われていて、工事を請け負っていた竹中工務店によると、地下水が突然流れ込み、2時間ほどの間に陥没が起きたという。

 竹中工務店 名古屋支店・谷村和彦次長「地下工事中に工事現場内で地下水が出まして、大量の地下水が道路下から工事現場内に入りました。その対処をしているうちに陥没が起きて」

 ケガ人はいなかったが、現場周辺は現在も規制され復旧作業が続いていて、警察が陥没した原因などを調べている。

地下水流れ込み2時間で歩道陥没か 名古屋|日テレNEWS24

 

歩道陥没、深さ5m…近くで地下通路などの工事

 7日午後7時55分頃、名古屋市中村区名駅の市道で、「道路が陥没した」と110番があった。

 愛知県警中村署員が駆けつけたところ、道路の歩道が約4メートル四方、深さ5メートルにわたって崩れ、道路標識も崩れ落ちていた。けが人はなかった。

 発表によると、現場の南側で「シンフォニー豊田ビル」や地下通路の建設工事が行われており、同署が関連を調べている。陥没部分はビルを建設する竹中工務店が8日未明までに補修する。現場は名古屋駅東約250メートルのオフィス街の一角。

歩道陥没、深さ5m…近くで地下通路などの工事 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

工事現場死亡事故 機械を無資格者に運転させる 福岡東労基署が業者を容疑で書類送検

 福岡県古賀市の工事現場で今年1月26日、作業員が建設機械の先端部と鉄製の梁(はり)にはさまれて死亡した事故で、福岡東労基署は3日、無資格の派遣労働者に建設機械を運転させたとして、同市内にある土木工事会社と、現地代理人(42)を労働安全衛生法違反容疑で福岡地検書類送検した。
 調べでは、古賀市の水路付け替え工事現場で、旧水路の解体工事を行う際に使用する建設機械を、運転資格を持たない派遣労働者にやらせた疑い。

工事現場死亡事故 機械を無資格者に運転させる 福岡東労基署が業者を容疑で書類送検 - 西日本新聞

 

旭化成建材データ不正 数十件か 建設業界に広がる不信感

 旭化成の子会社の旭化成建材(東京)が、過去約10年間にくい打ち工事を手掛けた3040件のうち、少なくとも数十件にデータを改ざんした疑いがあることが29日分かった。旭化成は同日、北海道釧路市の道営住宅2件と横浜市の公共施設1件に関し、データの流用があったことを確認し、改ざんが計4件になったことを認めている。同社の少なくとも3人がデータ流用に関わったとみられる。横浜市の公共施設は市立中学校とみられる。

 横浜市は29日、公共施設の15本のくいにデータの流用があったと発表。北海道も同日、道発注の釧路市の住宅工事で、くい打ち時の電流計の記録に新たに不審な点が見つかったと発表した。この住宅は前日28日にデータ流用が判明したものとは別。旭化成は30日、調査の進ちょく状況を公表する。

 横浜市によると、新たに判明した公共施設の担当者は、同市の傾いたマンションとは別。釧路市の2物件も横浜のマンションとは別人だったが、現場責任者の氏名は同一だった。

 会見した横浜市の林文子市長は「極めて残念。あってはならないことだ」と困惑の表情。市建築局の坂和伸賢局長は「これまで属人的な問題と思っていたが、別の担当者によるデータ流用が発覚した事態に驚いている」と話した。

 ずさん工事の実態が次々と明らかになり、建設工事に対する不信感が一段と強まる事態になっている。問題発覚のきっかけとなった横浜市の傾いたマンションの一部屋を所有している男性(31)は「他の担当者も改ざんをしていたと知り、やっぱり、という感想だ。他の会社でも同じようなことがありそうで、(2020年に)東京五輪もあるのに、建設業界が信用できなくなってしまう」と嘆いた。

 横浜市のマンション以外、別の3施設にはひび割れや傾きはなく、現在までのところ安全性に問題はないとみられる。

旭化成建材データ不正 数十件か 建設業界に広がる不信感 ― スポニチ Sponichi Annex 社会

ホークスベースボールパーク筑後の工事現場で労災事故

 福岡県警筑後署が29日夕明らかにしたところによると、同日午前、福岡県筑後市で建設中のホークスベースボールパーク筑後工事現場で、高所作業用ゴンドラで溶接作業をしていた男性作業員1人が、ゴンドラと鉄骨にはさまれ、上半身を負傷。福岡県久留米市内の病院で治療中という。
=2015/10/29 西日本新聞

 

 

旭化成建材の工事問題 2006年のマンション建設ラッシュに専門家が指摘

 過去11年間に杭打ち工事を請け負ったのは45都道府県3040件、うちデータ改ざんを認めた現場代理人が関与したのは41件――。横浜市のマンション傾斜問題で、旭化成建材が工事実績の内訳を明かしたが、肝心の施設名は23日になってようやく情報提供を開始、全国に疑心暗鬼を広めてしまった。各自治体とも旭化成建材が手がけた公共施設を独自に探していたが、見方を変えれば、もっと危ない物件がある。

「当時は次から次に仕事の発注があった。残業の量は相当多かった」

 現場代理人は旭化成側の聞き取り調査にそう答えたという。旭化成建材の前田富弘社長も20日の会見で「当時は確かに忙しかった」と振り返った。問題の杭打ち工事は2005年12月~06年2月に実施。この時期に現場が多忙を極めたのにはワケがある。

 05年11月、あの姉歯秀次・元1級建築士の手による耐震強度偽装事件が発覚。時の小泉政権が建築確認・検査の厳格化に向け、法改正に動き出した頃と、杭打ちの時期はちょうど重なる。

「実際の法改正前から、建築確認など事務手続きの煩雑化が予想されました。そのため、面倒な作業が増える前に『駆け込みで着工に取りかかれ!』と言わんばかりのマンション建設ラッシュが始まったのです」(建築エコノミスト・森山高至氏)

 事実、06年度の新設住宅の着工件数は約128万5000戸と、過去15年間でのピークを迎え、07年6月の法改正後は着工数は激減。09年度以降は100万戸を割り続けている。

 近年まれにみる建設ラッシュ期に、問題の工事は行われたのだ。深度不足の杭8本は工期の最終盤の06年2月23~24日に施工された。杭の長さは設計段階で約2メートル足りなかったが、杭を追加発注すると、工期が1カ月以上長くなる可能性があったという。

「元請け以下、現場には工事中に行う『中間検査』や工事後に確認する『完了検査』などを法改正前に終わらせたいムードがあったかも知れません。多忙だった現場代理人も次々と仕事を片づける必要性に迫られていたでしょう。関与した全員にとって、工期が強いプレッシャーになっていた可能性は十分にあると思います」(森山高至氏)

 この業界挙げての駆け込み建設期の直後には、欠陥住宅が次々と見つかった。07年には建材メーカーなど2社による耐火壁や断熱パネルの性能偽装や、大手ゼネコンが千葉で建設中だった超高層マンションで鉄筋128本の不足が判明。同年10月には横浜市の分譲マンションで新たな耐震偽装も発覚した。この物件は改正法の施行直前に建築確認を受けており、構造データを167カ所も改ざんした1級建築士は当時、偽造の理由をこう語っていた。

「時間に追われていた」

 傾斜マンションは氷山の一角。06年度の“狂気の建設ラッシュ”の負の遺産は、まだまだ各地に潜んでいるのではないか。