建設現場事故ニュース

建設現場で起きた大小の事故ニュースをまとめています

旭化成建材データ不正 数十件か 建設業界に広がる不信感

 旭化成の子会社の旭化成建材(東京)が、過去約10年間にくい打ち工事を手掛けた3040件のうち、少なくとも数十件にデータを改ざんした疑いがあることが29日分かった。旭化成は同日、北海道釧路市の道営住宅2件と横浜市の公共施設1件に関し、データの流用があったことを確認し、改ざんが計4件になったことを認めている。同社の少なくとも3人がデータ流用に関わったとみられる。横浜市の公共施設は市立中学校とみられる。

 横浜市は29日、公共施設の15本のくいにデータの流用があったと発表。北海道も同日、道発注の釧路市の住宅工事で、くい打ち時の電流計の記録に新たに不審な点が見つかったと発表した。この住宅は前日28日にデータ流用が判明したものとは別。旭化成は30日、調査の進ちょく状況を公表する。

 横浜市によると、新たに判明した公共施設の担当者は、同市の傾いたマンションとは別。釧路市の2物件も横浜のマンションとは別人だったが、現場責任者の氏名は同一だった。

 会見した横浜市の林文子市長は「極めて残念。あってはならないことだ」と困惑の表情。市建築局の坂和伸賢局長は「これまで属人的な問題と思っていたが、別の担当者によるデータ流用が発覚した事態に驚いている」と話した。

 ずさん工事の実態が次々と明らかになり、建設工事に対する不信感が一段と強まる事態になっている。問題発覚のきっかけとなった横浜市の傾いたマンションの一部屋を所有している男性(31)は「他の担当者も改ざんをしていたと知り、やっぱり、という感想だ。他の会社でも同じようなことがありそうで、(2020年に)東京五輪もあるのに、建設業界が信用できなくなってしまう」と嘆いた。

 横浜市のマンション以外、別の3施設にはひび割れや傾きはなく、現在までのところ安全性に問題はないとみられる。

旭化成建材データ不正 数十件か 建設業界に広がる不信感 ― スポニチ Sponichi Annex 社会