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日立建機社長:中国市場「異常」事態と警戒-需要は前年比ほぼ半減

 (ブルームバーグ):日立建機 の辻本雄一社長はブルームバーグとのインタビューで中国の建設機械の需要動向について「思ったよりも落ち込みがひどい」との認識を示した。途中で建設工事が止まってしまう事態も出ているといい「今は異常な感じにある」として、回復時期を注視していると述べた。
インタビューは23日に実施した。日立建機によると中国全体の油圧ショベル需要は、4月が前年同月比47%減、5月は同48%減とほぼ半減。6月についても「思ったよりも盛り上がっていない」。安徽省合肥市にある同社のショベル工場では休日を増やすなどして4月から稼働率を約5割に落としている。生産停止に追い込まれた現地メーカーもあるという。
辻本社長は「中国での建設工事の許認可が遅れており、計画が具体化されない。一度始まっていた工事がいったん止まり計画自体を精査することもある」と指摘。成長鈍化に加えて、政府が進める反腐敗運動の動きもこうした工事停滞に影響しているとみる。
日立建機の今期(2016年3月期)の連結業績(国際会計基準)は営業利益が前期比15%減の540億円の見込み。中国市場での油圧ショベル需要が前年比22%減に落ち込むことなどが響くとしていたが、4-6月期の需要は会社想定を下回る。
ダンプトラックなど鉱山機械についても「インドなどでは一部回復の兆しがあるが、全体としては大きく需要は減少している」と述べた。
辻本社長は「今後10年-20年のスパンで見ると回復していくが、数年を見たときに需要は大きく回復しないとの前提で考えていかなければならない」と説明。需要のある地域で人的資源を重点的に投入するなどして販売シェア拡大に注力することや、需要変動の少ない部品・サービス事業の売上高を伸ばすことで対応していく考えを示した。

拠点拡大に投資
部品・サービス拠点の拡大に向けては「着実に投資をしていく」との考え。14年3月期の同事業の売上高1707億円を19年3月期には3000億円を目指す。
また、鉄道運行管理システムや電力使用の効率化といったエネルギーマネジメントなどのノウハウを持つ日立製作所など、日立グループ全体で資源会社の鉱山経営効率化を支援する事業を拡大していく考えも示した。鉱石の採掘からダンプトラックでの運搬、積み出し港までの鉄道輸送といった一連の事業においての効率化を支援する。
辻本氏は、石炭や鉄鉱石など資源価格が大きく下落している状況下では「全体のオペレーションコストをいかに下げるかが大きな課題になっている」とし、資源会社の抱える課題解決に向けてグループ全体で対応していく考えを示した。
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