建設現場事故ニュース

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地下空洞という「地雷」をいつまで放置するのか

 ソウル市内の下水管や掘削工事現場など地下の空間について本紙が点検を行ったところ、安全性の問題が極めて深刻ということが分かった。埋設されてから40年以上たった九老区内の下水管のコンクリート壁は老朽化のためセメントが崩れ落ち、砂利がそのまま流出していた。下水管の天井を手でこすると、砂が砕けて落ちてきたという。鍾路区役所近くの地下の掘削工事現場では地下水が漏れていた。松坡区の石村湖近くの地下鉄9号線建設工事現場では、十数カ所の上下水道管や通信ケーブル、ガス管、送電線などがクモの巣のように絡み合っていた。

 地下に埋設された水道管やガス管の老朽化や地下の掘削工事での手抜きが、空洞ができる主な原因だ。ソウル市内で過去5年間に確認された3328カ所の空洞のうち81.4%は、老朽化した水道管などによって生じたものだという。同市内の総延長約1万キロの下水管のうち半数近い約5000キロは、埋設されて30年以上たっている。環境部(省に相当)が最近、埋設から20年以上たった下水管1637キロについてサンプル調査を行ったところ、1キロにつき1カ所の割合で下水管が破損したり、土砂が流入したりしていたことが分かった。また、全国の20年以上たった下水管3万7000キロのうち、手抜き工事によって空洞の発生につながりかねない箇所は3万7000ほどあると推定される。

 地下の空洞のうち、直径2メートルを超える大きな空洞は、掘削工事や水道管などの移設を終えた後、地盤を固める工事が不十分なために発生したケースが大部分だという。今月2日、地下鉄9号線三成中央駅の2番出口付近で6カ所もの道路の陥没が同時多発的に発生したのも、下水管の移設作業での手抜きが原因だった。ソウル市内で今年に入り、掘削工事の許可が下りた件数は6400件を超えている。いつ、どこで地下の空洞という地雷が炸裂するか分からない状況だ。

 地下の安全を確保するためには、まず古い水道管などの改修・補修を行っていく必要がある。地下に造られた構造物や埋設物を一目で把握できるシステムを構築することも、早急に取り組むべきだ。今は工事業者が関連する情報を得ようと思っても、地方自治体や上水道本部、ガス公社、電話会社などにいちいち確認しなければならない。その上「土の中だから見えない」と思っていいかげんな工事をしたケースが多く、工事業者が図面を見ながら地面を掘ると、実際とは異なっているというケースが少なくない。今のまま状況を放置していたら、そう遠くないうちに大きな事故が発生する恐れがある。「地下空間の安全」に対する管理を十分に行うため、総合的な管理システムを構築することが急務だ。

 

Chosun Online | 朝鮮日報